2012年5月12日土曜日

活断層の上の宅地

それでは、一般の宅地はどうだろう。横須賀では造成中に活断層が見つかり活断層沿いは緑地にし、建物をはずした例があります。しかし、あまり活断層を考慮した立地や対応策をした例を知りません。宅地についても活断層を避けたほうがよいでしょう。活断層の位置は、都市圏活断層図や日本の活断層図に出ているので参考にしていただきたい。
では、どのくらい活断層から離したらよいか。定説はありません。地盤によって異なると考えています。地盤良い事例を紹介します。20114月に活動したいわき市の井戸沢断層の例では、活断層直上の家屋は全壊で取り壊されました。家の脇を通った活断層では、縁側のサンルームだけが壊されました。母屋と離れ屋の間を通った活断層では、渡り廊下はずれて壊れたが、母屋と離れ屋に大きな被害はなかったようです。固い岩盤の上に建つものについては数mといったすぐ近くでも大きな被害がなかった例です。地盤の軟らかいところでの被害例などをみるもう少し広い範囲で被害がでています。これらの例を参考にして個人的には宅地を活断層から数十m~100mくらい離したほうがよいと思います。
また、井戸沢断層と同時に動いたいわき市の湯ヶ岳断層では、直上のお寺が全壊し、その南方延長の住宅では地表のずれは無かったものの、宅地地盤から大量の温泉水が湧き出した。現在も湧水は止まらず、住民の不安が募っています。

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